補助金|ブログ

事業再構築補助金は、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために、新市場進出や業種・業態転換等の思い切った事業再構築に挑戦する中小企業を支援する補助金です。本記事では応募時に用意する書類について解説します。

事業再構築補助金の応募書類

事業再構築補助金の応募は、GビズIDプライムアカウントを使用し、事業再構築補助金の電子申請システムから行います。事業計画書のほか、添付書類が多くありますので、早めに用意しておきましょう。応募書類をすべての事業類型に共通する書類、事業類型ごとの追加書類、リース会社との共同申請などの特殊なケースの順にまとめました。

すべての事業類型に共通する書類

  • 事業計画書
  • 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
    ※補助金額3,000万円を超える事業計画書は金融機関の確認書が必要です
  • 直近2年間の貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表
  • 経済産業省ミラサポ plus「電子申請サポート」により作成した事業財務情報
    ※ミラサポplusに事業財務情報を入力し、PDF形式で出力します
  • 労働者名簿
    ※最低賃金枠に申請する場合には、申請時点のものに加え、最低賃金要件の対象となる3か月分の労働者名簿も必要です。変更がない場合は申請時点のみでかまいません
  • (法人の場合)直近の確定申告書別表一の控え
  • (法人の場合)法人事業概況説明書の控え
  • (個人の場合)直近の確定申告書第一表の控え
  • (個人の場合)所得税青色申告決算書の控え(白色申告の場合、収支内訳書の控え)
  • (建物の新築に係る経費を補助対象経費として計上している場合)建物の新築が必要であることを説明する書類

事業類型ごとの追加書類

共通の提出書類に加えて、事業類型別に下記の添付書類が必要です。

成長枠

  • 市場拡大要件を満たすことの説明書
  • 賃金引上げ計画の誓約書
  • (補助率の引上げを受ける場合)大規模な賃上げ*に取り組むための計画書
    *大規模な賃上げとは、事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45 円、②給与支給総額+6%を達成することです

グリーン成長枠

  • 賃金引上げ計画の誓約書
  • (補助率の引上げを受ける場合)大規模な賃上げ*に取り組むための計画書
    *大規模な賃上げとは、事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45 円、②給与支給総額+6%を達成することです
  • 研究開発計画・技術開発計画書もしくは人材育成計画書
  • (過去に補助金交付候補者として採択されている場合)別事業要件及び能力評価要件の説明書

産業構造転換枠

  • 市場縮小要件を満たすことの説明書
  • (廃業費を計上する場合)廃業計画書
  • (過去に補助金交付候補者として採択されている場合)別事業要件及び能力評価要件の説明書

最低賃金枠

  • 2022年1月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019年~2021年の同3か月の売上高と比較して10%以上減少していることを示す書類(又は、2022年1月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計付加価値額が2019年~2021年の同3か月の付加価値額と比較して15%以上減少していることを示す書類)
    ※詳しくは、下部の売上高減少等に係る証明書類をご覧ください
  • 最低賃金確認書
  • 最低賃金要件の対象となる3か月分、最低賃金+30円以内の従業員全てがわかる賃金台帳

物価高騰対策・回復再生応援枠

下記のいずれかを提出します。

  • 2022年1月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019年~2021年の同3か月の売上高と比較して10%以上減少していることを示す書類(又は、2022年1月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計付加価値額が2019年~2021年の同3か月の付加価値額と比較して15%以上減少していることを示す書類)
    ※詳しくは、下部の売上高減少等に係る証明書類をご覧ください
  • 再生事業者の場合、中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等による確認書

卒業促進枠

・卒業計画書

大規模賃金引上促進枠

  • 大規模賃上げ及び従業員増加計画書
  • 賃金引上げ計画の表明書
    ※申請時点の直近月の事業場内最低賃金および補助事業終了後3~5年の間、事業場内最低賃金を年額45円以上引き上げる計画を従業員等に表明していることがわかる書面
  • 直近の事業場内最低賃金で雇用している従業員全てが分かる賃金台帳
    ※対象月は賃上げ表明書と同じ月とします

加点に関する追加提出書類

大きく売上が減少しており業況が厳しい事業者に対する加点
  • 2022年1月以降のいずれかの月の売上高が対2019~2021年の同月比で30%以上減少していること(又は、2022年1月以降のいずれかの月の付加価値額が、対2019~2021年の同月比で45%以上減少していること)を示す書類
    ※詳しくは、下部の売上高減少等に係る証明書類をご覧ください
事業再生を行う者に対する加点
  • 中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等による確認書
サプライチェーン加点

複数の事業者が連携して事業に取り組む場合であって、同じサプライチェーンに属する事業者が、以下を満たし、連携して申請すること。

  • 直近 1 年間の連携体の取引関係(受注金額又は発注金額)が分かる書類*について、決算書や売上台帳などの証憑とともに提出すること
    *連携体に含まれる全ての事業者が、連携体内での取引関係があることが必要です
  • 電子申請の際、該当箇所にチェックをすること
大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点

成長枠、グリーン成長枠が対象です。事業実施期間終了後3~5 年で以下の基準以上の賃上げを実施することで加点されます。賃上げ幅が大きいほど追加で加点されます。
1.給与支給総額年率平均3%
2.給与支給総額年率平均4%
3.給与支給総額年率平均5%

その他の追加書類

リース会社と共同申請する場合

  • (公社)リース事業協会が確認した「リース料軽減計画書」
  • リース取引に係る宣誓書

複数の事業者が連携して事業に取り組む場合

  • 連携の必要性を示す書類(代表申請者が提出)
  • 連携体各者の事業再構築要件についての説明書

組合特例を用いる場合

  • 組合特例に関する確認書

売上高減少等に係る証明書類

2022年1月以降の月の売上高が対2019~2021年の同月比で10%以上減少している場合は、最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠の売上高減少要件を満たします。また、2022年1月以降の月の売上高が対2019~2021年の同月比で30%以上減少している場合は、加点①を受けることができます。

それぞれの要件を比較すると以下のとおりです。

売上高減少要件

<最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠の場合>

  • 2022年1月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019年~2021年の同3か月の売上高と比較して10%以上減少していること
  • 又は、2022年1月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計付加価値額が2019年~2021年の同3か月の付加価値額と比較して15%以上減少していること

<大きく売上が減少しており業況が厳しい事業者に対する加点の場合>

  • 2022年1月以降のいずれかの月の売上高が対2019~2021年の同月比で30%以上減少していること
  • 又は、2022年1月以降のいずれかの月の付加価値額が、対2019~2021年の同月比で45%以上減少していること

売上高減少要件等に係る証明書類として、下記の書類を提出します。

法人の場合

  1. 申請に用いる任意の3か月の比較対象となる2019~2021年の同3か月の売上が分かる年度の確定申告書別表一の控え(1枚)
    ※収受日付印の押印、または電子申告の日時・受付番号が記載されていること
  2. ①の確定申告書と同年度の法人事業概況説明書の控え(両面)
  3. 受信通知(1枚)(e-Taxで申告している場合のみ)
  4. 申請に用いる任意の3か月の売上がわかる確定申告書別表一の控え(1枚)
    ※収受日付印の押印、または電子申告の日時・受付番号が記載されていること
  5. ④の確定申告書と同年度の法人事業概況説明書の控え(両面)

個人事業主の場合

  1. 申請に用いる任意の3か月の比較対象となる2019~2021年の同3か月の売上が分かる年度の確定申告書第一表の控え(1枚)
    ※収受日付印の押印、または電子申告の日時・受付番号が記載されていること
  2. ①の確定申告書と同年度の月別売上の記入のある所得税青色申告決算書の控えがある方は、その控え(両面)
    ※白色申告の方は対象月の月間売上がわかる売上台帳、帳面その他の確定申告の基礎となる書類
  3. 受信通知(1枚)(e-Taxで申告している場合のみ)
  4. 申請に用いる任意の3か月の売上がわかる確定申告書第一表の控え(1枚)
    ※収受日付印の押印、または電子申告の日時・受付番号が記載されていること
  5. ④の確定申告書と同年度の月別売上の記入のある所得税青色申告決算書の控えがある方は、その控え(両面)
    ※白色申告の方は、対象月の月間売上がわかる売上台帳、帳面その他の確定申告の基礎となる書類
  6. (①④に収受日付印の押印、または電子申告の日時・受付番号が記載されていない場合)2該当年度分の「納税証明書(その2所得金額用)」(事業所得金額の記載のあるもの)を追加で提出

売上高減少等に係る証明書類の注意

  • 比較対象となる任意の3か月又は2019~2021年の同3か月が複数年度にまたがる場合は、それぞれの年度の確定申告書類を提出します。
  • ④確定申告書別表一の控えについて、申請に用いる任意の3か月の売上がわかる年度の確定申告が済んでいない場合、該当月の売上がわかる売上台帳またはそれに相当する書類*を提出します。申請に用いる任意の3か月の月が記載されている箇所に下線を引きます。
    *試算表、経理ソフトから抽出した売上データ、表計算ソフト(エクセル等)で作成した売上のデータ、手書きの売上台帳のコピー、任意の3か月の売上がわかる法人事業概況説明書等
  • 付加価値額の減少により要件を満たす場合には、月別の営業利益、人件費、減価償却費(期中に購入した設備等の減価償却費については、購入した日から決算日までを月数で按分した金額)を確認するため、年度の確定申告が済んでいるかどうかにかかわらず、これらの情報がわかる資料(試算表等の確定申告の基礎となる書類)を提出します。

最後に

事業類型の確認や事業計画の作成のため、あらかじめ手元に用意してある資料もあるかと思いますが、添付書類は多岐に渡りますので余裕をもって用意しておきましょう。