補助金|ブログ

本記事では事業再構築補助金について、その概要と採択率、申請の流れなどを解説しています。

事業再構築補助金とは

経済産業省の外局である中小企業庁が管轄する補助金です。新型コロナウイルス感染症の影響で売上が減少した中小企業を対象に、令和3年3月26日から募集が始まりました。

予算額は、令和2年度第3次補正予算で1兆1,485億円、令和3年度補正予算で6,123億円、令和4年度予備費で1,000億円、令和4年度第2次補正予算で5,800億円が計上されています。新型コロナウイルス感染症の流行から3年が経過した令和5年度の第10回応募では、本補助金の特徴だった既存事業の売上高減少の要件および事前着手制度が一部の枠(最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠)に限定された代わりに、売上高の減少を前提としない成長枠等の申請枠が増え、コロナ対策支援を主目的としていた創設当初とは趣が異なってきています。

事業再構築補助金の対象

事業再構築補助金は中小企業、中堅企業、個人事業主、企業組合等を対象とします。詳しくは「事業再構築補助金の中小企業、中堅企業の範囲」をご覧ください。

事業再構築補助金の採択率

第9回事業再構築補助金の応募件数と採択件数は以下のとおりです。申請枠によって採択率は異なり、全体としては45%程の採択率でした。

(参考)事業再構築補助金第9回公募の結果について

事業再構築補助金の申請の流れ

事業再構築補助金の流れは、まずは事業計画書等の申請書類を整えて応募し、採択され、交付決定を経てから補助事業(新事業)をスタートする流れとなります。交付決定前に支出した経費は、事前着手届出を使わない限りは補助の対象外ですので、新事業を急ぐ場合はスケジュールがネックとなります。

第10回公募は2023年6月30日(金)18:00が応募締切です。例えば、採択発表まで2か月余り、交付申請準備から交付決定まで1、2か月とすると交付決定が下りるのは10月上旬と考えられます。補助事業、つまり新事業の発注等に着手できるのはそれよりも後になるため、2023年春の時点で構想のある新事業であっても、補助金を活用しようとすると着手手出来るのは秋以降になってしまいます。

補助金を活用する際は、新事業のスケジュール感に無理が生じないかも考えておきたいですね。

事業再構築補助金の対象となる事業のポイント

事業再構築補助金の対象となる事業のポイントは主に2つです。

  • 新たな事業が「事業再構築」の定義に該当する
  • いずれかの「事業類型」に該当する

「事業再構築」とは、既存事業と新事業との関係性に着目した考え方です。「新市場進出(新分野展開、業態転換)」、「事業転換」、「業種転換」、「事業再編」又は「国内回帰」の5つがあり、事業再構築補助金を申請するためには、いずれかの類型に該当する事業計画を作成する必要があります。

例えば「新事業進出」、「事業転換」、「業種転換」では、過去に製造等をしたことがない分野に新たに取り組むことが条件にあるなど、あくまでこれまでとは異なる製品やサービスに取り組むことや提供方法が変わることが前提です。そのため、すでに行っている事業への追加の設備投資だけでは、事業再構築の定義にあてはまりません。

「事業類型」とは「●●枠」と呼ばれるもので、成長枠は市場規模が拡大する業種が対象となるなど、事業類型ごとに対象となる新事業の要件が定められています。詳しくは下記で解説しています。

第10回 事業再構築補助金の対象となる事業のポイント

第10回 事業再構築補助金の公募要領が発表されました。第10回の応募期間は、2023年3月30日(木)から2023年6月30日(金)18:00までです。 第10回公募は、新型コロナウイル…

事業再構築補助金の事例

事業再構築補助金の事例としては、飲食業が店舗営業から配達事業に切り替える、情報処理業が映像編集向けの画像処理技術を活用し、新たに医療向けの診断サービスを開始する、などがあります。下記の記事では、事例や補助対象経費、事業計画のポイントをご紹介しています。

事業再構築補助金の事例と補助対象経費、事業計画のポイント

第10回 事業再構築補助金の応募期間は、2023年3月30日(木)から2023年6月30日(金)18:00までです。 事業再構築補助金の対象となる事業の主なポイントについて、「第10回…

最後に

事業再構築補助金は、既存事業とは異なる業種や業態、新たな市場への挑戦を支援する補助金です。中小企業で、新たな成長分野に挑戦する場合や時代の変化から既存事業の事業転換の必要性に迫られている場合など、新たな事業展開にあわせて検討されてはいかがでしょうか。当社では認定経営革新等支援機関も務めておりますので、お気軽にお問い合わせください。